2026.05.12
【活動報告】地域全体で子どもを包み込む「包括的支援」の形 ― 研修会講演のご紹介
当協会では、すべての子どもたちが健やかに育ち、保護者の皆様が安心して子育てができる社会を目指し、さまざまな地域支援のあり方を模索しております。この度、2026年3月24日に「龍ケ崎市こども発達センターつぼみ園」の主催で行われた研修会にて、認定こども園ぶどうの木竜ケ崎幼稚園の園長先生が講師を務められました。その講演内容には、当法人の理念とも深く共鳴する素晴らしい取り組みが凝縮されておりましたので、ここにご紹介させていただきます。
本講演では「いってらっしゃい おかえりなさい ~民間と行政が一体となった、地域の包括支援のありかたを求めて~」をテーマに、しょうがいのあるお子様や発達に課題を持つお子様を、地域全体でどのように支えていくべきかが語られました。
現在、多くの保護者は子ども家庭センター(保健センター)や発達支援センター、幼稚園・保育園といった複数の機関の間を自ら動いて調整しなければならず、同じ説明を何度も繰り返すなどの精神的な負担が大きな課題となっています。こうした孤立を防ぐため、講演では幼児教育施設と支援センターが直接手を取り合い、保護者が奔走しなくても情報が共有される仕組み作りが提案されました。具体的には、各機関で共通の「連携シート」を活用して情報を一元化し、園での生活を「集団の療育」、センターでの活動を「個別の療育」として役割を分担しながら、地域全体で子どもを包み込む体制が構築されています。
なかでも園長先生が最も強調されたのは、お子様の日常生活の質を守る「シームレスな支援」のあり方です。療育に通うために園を欠席するのではなく、園生活のリズムの中に療育を組み込むという考え方に基づき、朝はいつも通り登園して活動を終えてから療育へ向かい、終わったらまた園に戻ってお昼ごはんを食べるという流れを大切にしています。この当たり前のリズムを維持することが、お子様にとっての確かな安心感と大きな成長につながります。
講演のタイトルにもある「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」という言葉は、園の考えを象徴するもので、療育へ向かうお子様を、お友だちや先生が笑顔で送り出し、戻ってきたときには温かく迎え入れる。この繰り返しのなかで、園はお子様にとっての「確かな居場所」となり、集団の中での育ちを支える基盤となります。お子様を「園」か「療育施設」かの二択で捉えるのではなく、双方が密に連携して一つのチームとなることで、一人ひとりの特性に合わせた最適な環境を地域全体で作っていく決意が語られました。
また、当協会が重視する「インクルーシブな環境づくり」についても語られており、しょうがいの有無で区別するのではなく、最初から「みんなが一つ」であるという考え方を大切にし、同じ年齢の集団の中で多様な個性が刺激し合うプロセスこそが、子どもたちの持つ「生きる力」を最大限に引き出す最良の刺激となることが指摘されています。幼児教育のゴールを一律に定めず、遊びを中心に据えて個々の歩幅を尊重する保育の実践は、誰もが自分らしく過ごせる豊かな社会でもあります。
園長先生は最後に、「しょうがいのあるなしにかかわらず、どの子も地域の中で豊かに育ってほしい。そのために、専門機関と顔の見える関係を築き、ご家庭を孤立させない支援を続けていく」という力強いメッセージを届けられました。施設間が手を取り合うことで親子を孤立させないこの取り組みは、当協会が推進する「健やかな親子支援」の理想を具現化するものです。地域社会の新たな支え合いの形を、ぜひ下記の動画よりご覧ください。
■ 講演動画のご視聴はこちら(YouTube) https://youtu.be/u9AZA8KwbrI (※本動画は、一般公開されている講演部分のみを掲載しております)
【講演概要】 テーマ:包括的支援体制「いってらっしゃい、おかえりなさい」について 講師:認定こども園ぶどうの木竜ケ崎幼稚園 飯塚園長 主催:龍ケ崎市発達支援センター(こども発達センターつぼみ園)