和洋女子大学との共催講演会レポート「落語で考える現代社会の課題と合理的配慮」

先日、和洋女子大学看護学科様と健やか親子支援協会との共催により、「現代社会の課題と合理的配慮」をテーマとした講演会を和洋女子大学さとみ館にて開催いたしました。

本講演会は、多様な背景を持つ人々への理解促進と、合理的配慮の実践的なあり方を考察する機会として企画されました。


第1部:落語を通じた視点転換

講演会の冒頭では、落語家の立川らく人様に、江戸時代の産後ケアを題材とした新作落語**「産屋のヒミツ」**をご披露いただきました。

これは、制度が未整備であった時代に、地域社会がいかに見えにくい困りごとを認識し、相互扶助によって支え合っていたかという視点を提供するものです。参加された多くの教員や学生の皆様は、初めての落語に熱心に耳を傾けておられました。

第2部:合理的配慮の理解と実践

続いて、和洋女子大学家政福祉学科 家政福祉学専攻 准教授の髙木先生より、合理的配慮の法的根拠、必要性、および具体的な事例について講義が行われました。

その後、参加者によるペアワークを実施。落語と講義の内容を踏まえ、参加者同士で「合理的配慮」に対する自身の考えや感じたことを自由に共有し、質疑応答の時間を通じて理解を深めました。

講演会の意義と参加者の声

本講演会は、合理的配慮というテーマを、伝統芸能である落語の要素を取り入れることで、学術的かつ親しみやすい形で提示することを試みました。江戸時代の「制度はないが支え合う社会」の精神を再確認し、現代の合理的配慮のあり方を考察する学びの場となったと考えております。

当日は多くの教員・学生の皆様にご参加いただき、感謝申し上げます。参加者の皆様からは、以下のようなご感想が寄せられました。

【合理的配慮への理解に関する声】

  • 「合理的配慮について再認識し、新たな認識を得る機会となった。」
  • 「言葉だけが一人歩きしないよう、現場の教員・職員が正しい理解をする必要性を感じた。」
  • 「実践には、配慮する側と求める側の双方が歩み寄る姿勢、対話、コミュニケーションが不可欠であると再認識した。」
  • 「配慮の対象の広さや、多様な事例について知ることができた。」

【落語を用いた形式への評価】

  • 「落語が楽しく、分かりやすく学べるユニークな方法だと評価できる。」
  • 「プログラムの構成が練られており、理解しやすかった。」
  • 「落語からテーマを考えるという点が、関心を引くものであった。」

本講演会を通じて得られた知見が、教育・福祉・看護の現場における「合理的配慮」の実践と、相互理解に基づくより良い社会の構築に繋がることを願っております。

ご協力いただいた和洋女子大学看護学科様、ご登壇いただいた立川らく人様、髙木先生、そしてご参加くださった皆様に、心より御礼申し上げます。

落語家の立川らく人様の新作落語はこちらからでも聞くことができます